舌の上に赤いできものがある。
以前、大学病院でこんな患者さんを診察したことがあります。
”舌の上にできものがありなおらない”
ご年配の紳士で、やはり舌癌を心配されておられました。
診てみると確かに、舌の上真ん中に小指の先くらいの赤いできのもがあります。
”できもの”は検査だけでは診断の確定は難しいため、できものの一部または全部を切除し病理検査に提出します。
そこで、病理医が顕微鏡で検査をし診断してくれます。
その紳士の方に切除を説明し、快諾いただきましたので外来で局所麻酔にて切除手術を行いました。
切除後、先ほどの病理検査で診てもらった結果は、”膿原性肉芽腫”という菌の感染によって起こる比較的希な良性腫瘍でした。
ご本人にご説明したところ口には出されなかったですが、”ホッ”とされておられるのがわかりました。
ただ、2週間後くらいに再発を起こしていまい、もう一度手術をさせていただきました。
その後は経過良好でした。
舌にもいろいろなできものが発生します。
舌癌は体のほかの部位の癌にくらべると発生率は非常に少ない癌ですが、やはりご心配になりますよね。
”もし癌と言われたらどうしよう?”とお考えになる方も多いですが、気になれば勇気を出して専門家を受診してみてください。
歯医者さんで歯の治療のついでにご相談いただくのも、非常に良いかと思います。